第五章:会いに行く

送信者 カラ男
宛先 あんふぁん
タイトル 嬉しい。
送信日時 2008年4月15日01:54:35
バカな俺なのに「うんうん」って言ってくれて嬉しい。
抗癌剤でかなり一段落したみたいだけど肝硬変は決して治らないし
肝不全で飲む薬ですぐダウンするし夢もなにもないし
心肺停止から生き返って良かったのかどうかなんて考えるね。
でも、(あんふぁん)がいるから一条の光が見える。去年の●月●月の間
一ヶ月は意識不明、人工呼吸だったけど(あんふぁん)にプロポーズしている夢や仲良く一緒に歩いている夢を見たよ。
幸い娘が軟化して保険証復活のために形だけの部屋を借りてくれた。

以上は、カラ男から送られてきたメールの前半部分です。
彼女の「話してみて」とする姿勢に順応するかのように、自分の病状についてより詳細に書かれています。
しかし続く後半部分を読み進む彼女は、一変して大変驚く事となります。
以下後半部分です。

病院は、一命を取り留めた後は、長居しても点数も低くなるし条件付で退院できる可能性がある感じなので
どうせとても短い余生だけど(あんふぁん)に会いに行く。
手を握りたい。
まだ先のことは簡単にはいかないけど迷惑をかけないので支えて下さい。
またメールするね。
吐血して食道静脈瘤破裂したのは去年の●月7日と●月28日。

まだふらふらするけど頑張る気持ちが出てきた。
ありがとうございます。

「病院は、一命を取り留めた後は、長居しても点数も低くなるし条件付で退院できる可能性がある感じなので」
彼女が、大変驚き、唖然としたたのは、この部分でした。
ここで、この時点までのカラ男からのメールをもう一度引用してみます。


1月18日
 俺は死にかけ

1月25日
 寿命は僅からしいあの世では●●で暮らそう。

4月7日
 日々意識がなくなる時間が長くなってきたよ。もう最後だと思う。

4月10日
 せめて残り少ない命の間、(あんふぁん)に精神的に支えてほしいです。

そして今回のメールは、最後のメールからわずか5日しか経過していないのに、点数が低くなる為に退院と、まるで老人医療問題に出てきそうなキーワードまで登場しています。
「日々意識がなくなる時間が長くなってきた」人間に対して、点数が低いから退院させるというのは!?
ちょっと想像がつきにくいのですが、少なくとも彼女が考えていた病状とはかなり違うものであると言う事は確かな様でした。

これにより、それまでカラ男の人生(過去)の清算には協力していく気持ちで接しながらも、彼女に芽生えていた少しの違和感が、ここではっきりとした物へと変化して行ったのです。

なお、2度の入院の日付は、当ブログで入手していた情報と一致しております。

差出人 あんふぁん
宛先 カラ男
タイトル RE: 嬉しい。
送信日時 2008年4月19日14:36:36

しばらくネットがトラブっててレス遅くなってごめんなさい

一時退院や(カラ男娘)ちゃんの文字を見て少安心しました
やっぱり(カラ男娘)ちゃんは優しいね
色んな事がゆっくりと回復していくといいね

今日は久しぶりに青空です
(カラ男)の病室からも見えるかな?
病院にいるとストレスも溜まるでしょ?
話し相手にくらいにしかなれないけど、またメールで何でも話してね
待ってます♪

いきなり病院より退院させられようとしており、しかも会いに行くとまで書かれたメールに当惑しながらも、それまでの対応と同じ基調で、素直にカラ男の娘の行動を喜ぶ内容を送信しました。
ただし「またメールで何でも話してね」とも強調しておきました。

そしていつものように、すぐにカラ男から返信がありました。
彼女の心に、違和感が生じている事には、まったく気づく様子がないカラ男は、元気一杯!?に、とても長文のメールを書いています。
その中には、カラ男の往年の名台詞の1つである、ある固有名詞も出てきて思わず失笑してしまうのでした。

今日はここまでとします。

カラ男様、引き続き higaishablog@hotmail.co.jp まで、現況と今後の予定に付きまして連絡をお待ちしております。